【大分トリニータ】今何をすべきか

ゴールデンウィークのホーム2連戦は大宮に0-2、鳥栖に2-4とまったくいいところなく連敗した。せっかく1万人を超える動員があったにも関わらず、失望しか与えない内容だった。第10節を終えて勝ち星なしの勝ち点3は、昨年の札幌並みか、さらに下を行く勢いだ。監督の田坂和昭は、「選手を鍛え直す」「システムの問題ではない」とのコメントを続けている。

さて、今の状況で大分トリニータは何をすべきか。1対1でもほとんど負け、攻守に形が見出せない中で、選手を鍛えることにも声援だけを続けることにも意味はない。財政的な問題で、監督の交代がままならないのはその通りだろう。しかし、監督交代で調子が上向くとすれば、1試合当たり1,000人×2,000円×11試合としても、2,200万円になる計算だ。逆に言えば、さらに動員が落ち込むことも十分あるのだから、今の状況を放置しておいてよいとする考え方は間違いだと、僕は信じている。

なぜ、監督なのか。まず、戦術が体現できていないし、やろうとするサッカーも見えないのは監督の責任だからだ。そしてもうひとつの理由は、監督を代えることが一番の刺激になるからだ。補強の失敗は強化部の責任だが、それはもはやどうしようもない。社長の退任も選択肢のひとつではあるが、社長を代えても戦術は変わらないし、選手のモチベーションにも効かない。減資と増資いう綱渡りをするタイミングで、社長の交代はあり得ない。

チェイシングしてボールを奪いに行くのはわかるが、そこで奪えず、奪ってもつなげない。攻撃の選手に守備を、守備の選手に攻撃を課して役割が中途半端になっている。それでもなお「選手を鍛える」「システムではない」しか言えないのであれば、弱小高校サッカー部の素人顧問と一緒だ。足元でボールを収められない選手たちにしたのは、誰なのか? 「苦しい時に応援してこそサポーター」という甘い考え方は、僕は大嫌いだ。