【トリニータ】前社長が観光庁長官に

来季はJ2で試合をする大分トリニータ。今季の成績に加えて、耳を疑うほど巨額の債務超過という経営責任を取って引責辞任した前社長の溝畑宏氏が、新年1月4日付で観光庁長官に就任するようです。もともと自治省(現総務省)の役人だった人物だけに、人脈や情報のつながりはあるのでしょう。

運転資金不足で倒産というシナリオすら現実味を帯びてきたトリニータの状況を考えると、溝畑氏の「栄転」には信じられない思いですし、違和感はかなりあります。しかし、僕自身も転職に苦労した経験があるので、こんなオファーを前にして蹴るという判断が難しいことも理解できます。なので、溝畑氏を責めようという気には、まったくなれないのです。

しかし、一方でこの人事を決めた前原国土交通相の判断はいかがなものでしょうか。赤字と債務超過という経営者として落第点を取ってしまった人物を、役所の長に就けようというのです。役所は財務面の心配はしなくていいのかと、今さらに感じてしまいます。民間からの登用であり、地方活性化の功労者という判断なのでしょうが、いかにもタイミングが悪すぎます。

前原大臣はこの他にも、羽田空港のハブ化発言や羽田へのアクセス改善のために品川~羽田を新幹線でつなぐ構想までぶち上げています。大臣としての政策として考えられるものだとは思いますが、思いつきの印象は拭えず、その政策を聞いた国民がどう感じるかにまったく配慮が見られません。閣僚として場慣れしていないと言えばそれまでですが、亀井静香大臣と並んで鳩山内閣の人材の薄さを露呈するような動きに見えるのです。