【前原国交相】羽田ハブ化の真意は

前原誠司国土交通大臣が羽田の「ハブ空港」化を鳩山首相にも相談しないままに提唱してしまい、大きな波紋を呼んでいます。拳を振り上げた森田健作・千葉県知事があっさりと納得してしまったのは意外でしたが、要は十分な検討もないままに持論を展開してしまったということなのかもしれませんね。

ただ、本当に航空行政を考えれば、成田の発着枠が一杯になっている現状では、羽田との棲み分けは現実的な判断です。そして、韓国の仁川(インチョン)に極東のハブの座を奪われていることが問題なのであれば、国内線とのハブではなくアジア路線と国際線のハブを考えるべきです。つまり、都内からのアクセスの悪い成田はアジア路線から太平洋路線や欧州路線に乗り継ぐハブに、一方羽田は国内線から乗り継ぐハブにするのが妥当です。

24時間離発着ができれば理想ですが、そうでなければハブになり得ないということではないはずです。そんな現状であくまで「羽田ハブ」を言い出したのは、どう考えても経営難に陥っているJALを救おうという緊急避難策でしょう。米国のハブは航空会社とセットです。アトランタソルトレイクシティはデルタ、シカゴはユナイテッド、ニューアークはコンチネンタルのハブ空港なのです。羽田をJALのハブにすることで、乗り継ぎ客を独占的に囲い込もうとしているようにしか思えません。