【前原外相辞任】短命閣僚は望まないが

外国人から政治献金を受けた問題の責任を取る形で、前原誠司外務大臣を辞任した。これには賛否両論が、いろいろな形で提起されている。否定的な意見は、大臣ポストを政局の具として駆け引きすることに異を唱えるものだ。首相からして国際標準に比べて異常なほどに短命な日本の国政を考えれば、ちょっとしたことで「腹を切る」ことを求めるのは行き過ぎだろう。

特に今回の辞任激の背景には、民主党内の抗争も垣間見える。小沢一郎に処分を下したこととのバランスで、小沢ともっとも遠いところにいるとされる前原に対して「お咎めなし」では済まなかったはずだ。政党間の駆け引きに政党内の駆け引き。そんなもののために国政が滞るのは、国民の望むところではない。

しかし、今回の一件に関しては、僕は辞任に同意する。なぜなら前原は外務大臣であり、その職にある者が外国人から献金を受けてしまったのであれば、国際関係において公正な判断をしていたとは信じられないからだ。「在日韓国人だから、外国人であることをあまり意識せずに献金したのではないか」との意見があるが、彼らのアイデンティティはそんなものではないと思うし、そこまで祖国への思いがないなら帰化していておかしくない。

外務大臣ではなく他の閣僚ポストであるなら、見逃してもよい、いや殊更に辞任を要求するような問題ではないと言ってもよい。しかし、外務大臣である以上、この問題の露見はアウトだ。「問題ない」という人には、民主党参政権政策や前原の対東アジア外交スタンスなどを、もう一度見直していただきたい。その上でも、「問題ない」と言えるのであろうか。