【日本代表・チリ戦】攻めの形見えず

巻と高原の2トップ。遠藤と中村憲剛がゲームを作って、運動量は山岸が担う。そんな形の攻撃陣で、ゲームが始まった。中盤での相手ボールの奪い方や最終ラインの守備においては、それなりに完成に近づいている雰囲気はあった。しかし、攻めに関してはどうだっただろうか。

高原はゴール前の動きでチャンスを作る選手だが、今日は巻が相棒だけに中盤に下がってボールに触れるシーンが目立った。巻が前線でボールに絡んでつぶれても、その近くに高原がいなくては得点の可能性は生まれない。サイド攻撃も同様で、右の内田はオリンピック代表でのプレーと同じく攻めあがるまではよいが、そこから後が評価できない。左の駒野もミドルを狙うことが多く、チームとしてどんな形から得点するつもりなのか、意図が見えなかった。

オフ明けの代表合宿というタイミングであり、決してベストコンディションでないのはわかる。しかし、ワールドカップ予選のタイ戦は、もう間近に迫っている。ベトナムにしてもタイにしても、最近の東南アジアを甘く見たら大変なことになる。点が取れなければ、勝ち点3など得られるはずがないのだ。その意味では交代出場した大久保が生み出した数々のチャンスには、多少なりとも安心させてもらうことができた。彼にはきれいに決めようとせずに、泥臭くでも点を取ろうとする姿勢を貫いて欲しい。