【大分―仙台】2つの型がハマった勝利

前半はサムエルをターゲットに、梅崎と町田は下がってボールに絡み、弓場が攻め上がって隙を狙っていた。これでチャンスは多く作っていたのだが、そこには盲点がある。梅崎と町田がゴールから遠い位置でプレーするためにサムエルにマークが集中してしまい、前をサポートする弓場も仕留める選手ではないのでなかなか思うような型が作れないままに時間が過ぎた。

そして、後半15分を過ぎたあたりで金崎と呉屋を投入し、明確な2トップに変更した。これによって中盤は薄くなったが、その代わりにゴール前での迫力が倍増することになった。得点シーンも金崎に当てたボールを井上に預け、クロスに弓場がつぶれた後方で呉屋が合わせた。弓場がシュートを打つのではなくつぶれ役になったことで、決定力のある呉屋にチャンスが回る。これを決めるのがFWの仕事なのだ。2つの型を使い分け、結果的にこれが奏功しての勝利だと言ってよいだろう。

仙台は大分にとってやりにくい相手ではないと思っていたが、攻撃の迫力不足は深刻だ。終盤に1点を追いながらクロスが上げられないのは、昨季の悪い時に大分を見ているようだった。恐らくは自信喪失が根底にあるのだろう。それに引き換え、大分は守備に関しても自信を持って対処できている。今日は坂の足がつっていたために不安も見え隠れしたのだが、それさえなければ非常に安定していた。これで3連勝だが、いずれもウノゼロでの勝利。これはここからの苦しい戦いの中で、大きな自信になるはずだ。