【サッカー・タイ戦】大久保「らしい」決勝点

小雪舞う埼玉スタジアムで開催された、ワールドカップ・アジア3次予選のタイ戦。前半は、先制した直後に目の覚めるようなミドルで追いつかれる重苦しい展開。このまま時間が経ってしまうと、どんどんプレッシャーがつのって厳しい状況に陥るのは見えていた。しかし、日本代表はたくましかった。山瀬がサイドからドリブル突破して出したパスがクリアされたものの、中村憲剛の足に当たって大久保の前にこぼれる。泥臭さがウリの大久保にとって、まさに彼らしいゴールだったと言えよう。

その後はタイが退場者を出したこともあって、日本代表の動きが俄然良くなる。中澤と巻の追加点や、播戸のプレーには気迫を感じたが、その点では高原は物足りなかった。また内田と駒野のクロスに意図をあまり感じなかったことや、狭いところを無理に通そうとするプレーは、今後は避けなければならない注意点だろう。

結果は4-1だったが、あの大久保のゴールがあの時間帯で飛び出さなかったら、この試合はどう転んでいたかわからない。FWとトップ下の入れ替えだけではなく、もっと限られた時間の中で得点が必要な場面を想定した場合にどう流れを引き寄せるのか。DFを削るのか、ボランチを入れ替えるのか、ここで岡田監督の真価が問われそうだ。まずは今日の勝ち点3で安心させてくれたとはいえ、道のりはまだまだ長い。