【のだめカンタービレ】⑰パリにのだめは似合わない?

前回、前々回と特典つきで予約を煽ったのに比べると、今回はなんとも静かな印象の発売日でした。僕も焦って発売日に買うモチベーションもなかったので、昨日やっと買って読みました。今回は千秋指揮のマルレ管の演奏会からはじまり、指揮者・千秋が父親との確執を乗り越えようとする「エディプス・コンプレックス」的なストーリーに連なる展開です。

演奏会でのオケ団員の姿などは、いつもながらさすがの描写でクラシックファンを楽しませてくれます。前作までは悪役っぽいキャラだったマルレ管コンマスのトマ・シモンが、少し千秋に心を開きかけ、表情も格段に柔らかくなっているところは見ものです。

舞台がパリということで、メトロへ下る階段やアパルトマンの雰囲気がいかにもそれらしく、旅行した際の記憶を懐かしく思い起こさせてくれます。ストーリー的には、日本編ではのだめの天然キャラというか、変態キャラと純粋な音楽家としての側面がうまく共存していたのですが、パリでは変態キャラの現実味が薄れてしまうため、どうもとってつけたような感は否めません。似つかわしくないんだけど、これがないと「のだめ」にならないからと、無理やりハメこんでいるような…

以前にも、シュトレーゼマンに竹中直人を起用したようなオール日本人キャストで押していいので、実写ドラマのパリ編を撮って欲しいという記事を書きましたが、フランス人キャストではのだめキャラの現実味が出ないので、かえってダメでしょうね。

ちなみに、僕が17巻で一番ウケたのは、のだめが洗濯物をひっくり返して千秋の匂いを堪能しているシーンでした(^^;