【なでしこジャパン】4位の総括

レギュラー3人を欠いた北朝鮮に完敗して4位に終わり、なでしこジャパンは北中米カリブ海3位とのプレーオフに回ることになった。今日のゲームを見る限り、根本的に実力不足は否めない。とにかくキック力がないため、強く蹴ることに意識がいってしまい、コントロールが効いていないのだ。ゴール前でもつなぐ意識ばかりでは、相手DFは守りやすい。

しかし、日本がこの大会でもっと上に行くことは不可能ではなかった。大橋監督の采配について、考察してみたい。まず、両サイドバックに本来攻撃的な位置の選手を起用したことだが、予選では機能していた。しかし、トーナメントでは特に右の安藤が振り回され、ラインコントロールを困難にしてしまった。要は三都主を使い続けたジーコと同じ。ドイツでのワールドカップでも明らかになったように、タレントを揃えるよりも、各ポジションのプロを起用したチームが結果を残している。女子の場合、層の薄さという事情もあるが、今後は意識すべきポイントだと思う。

ジーコジャパンのヒデになぞらえられる澤は、これもヒデと同じようにピークを越えてしまっていた。トーナメント2試合で、動きにも欠け、パスの精度も明らかによくなかった。精神的な意味で、交代しにくかったことは理解する。しかし、あえて澤を阪口に代えるような荒療治をやってもよかったのではないか。そして、FW大谷は交代出場しながら、途中で退いたゲームが2試合あった。監督がコンディションを見極められていないのか、作戦ミスと評価するしかないだろう。

そして最大の采配ミスは、グループリーグの中国戦にピークをもっていってしまったことだろう。1位通過の意味はあるのだが、それがすべてではない。勝ち抜けが決まった後の試合の戦い方は、もっと考えなければならない。プレーオフにたとえ勝っても、今のチームの実力では本選も厳しいだろう。