【フランス-トーゴ】美しきパスサッカー

今大会ではイングランドとスペインに注目しているが、実は僕のお気に入りはフランスである。なぜかというと、あの優雅なパスサッカーが好きだからだ。速くて長めのパスを何本もつなげてゴールに迫り、中盤と前線が有機的に連動するフランスのサッカーは、実に魅力的だ。

これまで韓国とスイスに引き分けたフランスは、勝つしかない。前半はチャンスを作りながら0-0で折り返すと、後半はじりじりした展開となった。その中で鍵となったのは、キャプテンマークをつけたMFヴィエラと若いリベリーだ。効果的な攻めはほとんど右サイドのリベリーが起点となったが、その運動量とフランスらしい速いパスは実に小気味よい。そして、ゴール前でボールを受け、反転してゴールを決めたヴィエラのプレーはFW顔負けだった。

2点目もヴィエラが激しいチェックを受けながらもヘッドで落としたところに、エースFWのアンリが電光石火のシュートを叩き込んだ。メンバーは過渡期ともいえ、ピークを過ぎようとしている選手も多く、そして決してビッグネーム揃いではない。それでも、これだけのサッカーができるのは地力の違いなのだろう。

そしてこの結果、スイスに敗れた韓国までもが姿を消し、アジア連盟として出場した国は全滅した。そんな中でアジア連盟に移籍したオーストラリアが決勝トーナメントに進んだ事実が、これからのアジア内部での厳しさを示している。中東や中国に手間取っている時ではない。日・韓・豪の連携でレベルを引き上げ、フランスのような地力をつけなければ。