【日本-クロアチア】結果なき死闘

この試合のことは、もう十分にあちこちで語られているので、多くは書くまい。結果は出なかったが、両チームの気持ちが入った熱戦になったことは評価したい。ジーコの采配も、悪くなかった。福西のコンディションは悪そうだったが、ハーフタイムに稲本を投入して中盤のボール奪取が上がり、攻めの起点を作った。玉田と大黒の投入のタイミングも、まあそんなものだろう。

敢えて言うなら、あの暑い天候でのゲームなのに、序盤から前線のスタミナを奪うようなパスを出し続け、しかもその精度もかなり低かったヒデを代える選択は、十分考慮に値するものだった。そして、これも今にして思うのだが、あれだけクロアチア守備陣も足が止まってラインが深くなっている状況では、玉田や大黒の狙うスペースはなかったようだ。ということは巻を入れることは考えられなかっただろうか。大黒も玉田も、あんなにゴール前のフィニッシュの場面で焦ってしまっては、残念ながらワールドカップに出るFWのレベルには達していない。

しかし、まだ日本にはチャンスがある。ブラジル相手に2点差で勝つことは、決して夢ではないと思う。ジーコがここまで巻を使わなかったことは、もしかするとブラジル戦に向けて隠していたのではと勘繰ってみたくもなる。宮本のDF統率にはもともと異論もあり、中澤と坪井でセンターを組む4バックも悪くないのではないか。前向きに考えることで、道は見えてくる。