【シムソンズ】文学じゃないけど

トリノでの活躍で人気沸騰中のカーリングを扱った映画「シムソンズ」が、話題を呼んでいます。この作品はトリノ代表の小野寺と林がかつて所属していたソルトレイク代表チーム「シムソンズ」がどのように結成されたか、その原点を描いています。まずは原作を読んでみようと思って、小説「シムソンズ(著:森谷雄)」を買ってみました。

200ページほどの作品で、しかも文体は主人公である女子高生に「合わせた」のであろうものなので、あっという間に読めました。文学として味わおうと思うと期待外れだけど、カーリングについて興味を持った人がオリンピックに余韻に浸るにはちょうどいいかな。内容はテレビドラマの「がんばっていきまっしょい」をボートからカーリングにしたようなものと思ってくれれば、遠くないでしょう。

ちなみに、おそらく小野寺は「小野(結構短気)」、林は「林田(もともと運動音痴)」という名前の登場人物なんだろうなと思って読むと、なかなかおもしろいです。ところで、子ども向けの作品だからといって、子どもじみた設定、子どもじみた文体にするとかえって興味を惹かれないという説があります。「大人が思うほどに、子どものマインドは幼くない」ってことだと思うけど、その意味でこの作品は高校生を見くびっているような印象を受けました。映画ではどんな風に描いているのか、興味があります。