【転校生】リメイクの意味は

大林宣彦作品に特に興味があるわけではないけれど、結構作品には目を通しています。25年の歳月を経てセルフリメイクした「転校生 -さよならあなた-」をWOWOWの録画で見たのですが、そのストーリーが大きく変わっていることには驚かされました。舞台を尾道から長野に移すことにテーマがあったわけではなく、このエンディングを描きたかったのでしょうね。

さすが大林監督を思わせるのは、構図やカット割りの小気味良さ。テンポよく切り替わる映像のリズムに、思わず引き込まれてしまいます。ただ、やたら斜めからの構図に拘ったことについては、意図がわかりませんでした。主人公ふたりが井戸に落ちるシーンは、設定は陳腐なのにあそこまで魅せてしまうあたりは見事です。

撮影や編集の素晴らしさと対照的に、役者陣の演技と演出はひどいものです。演劇じみていると言えばそうなのかもしれませんが、台詞回しのわざとらしさが耳につきました。やはり大林宣彦は映像の魔術師であって、それ以上でもそれ以下でもないのでしょうか。

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