【U-23アジアカップ】日本―中国

1点を先制した後、早い時間帯に西尾がレッドカードを受けたことで、日本の課題は明確になった。いかに守り切るか、そして少ないチャンスでカウンターを仕掛けられるか。今の中国相手ということでさほど怖さは感じられなかったが、サッカーでは運と流れで2点くらい簡単に入ってしまうので、その意味の危うさは常にあった。

西尾の退場につながった肘打ちについて軽率だと言うのは簡単だが、大岩監督の性格を考えれば、カンフーサッカーと呼ばれる中国を相手に「気持ちで負けるな」に類する言葉をかけていたことは想像に難くない。ただ、僕が気になったのはカードを受けた後、西尾の表情に悔恨の思いがほとんど見られなかったことだ。リーグ戦が続く中でチームを離れて参加した代表戦で退場し、次の試合も出られない。これがどれほど周囲に迷惑をかけているか、想像が及んでいるようには思えなかったことが残念だ。

その後の日本は、小久保や藤田のようなヨーロッパで経験を積んでいる選手を中心に落ち着いたプレーを見せ、ハイボールの競り合いでミスを犯さなかったし、時間の使い方も絶妙だった。中国の攻撃に迫力がなかったことは事実だが、この形での1-0勝利は結果的に大きな学習効果を発揮するだろう。

いずれにしても、まだ1勝。パリへの道は、この後に続くUAEと韓国という強敵に勝てるかどうかにかかっている。この日はボールが足についていなかった佐藤恵允の巻き返しにも期待したい。