【大分―鹿児島】結果は得たが

前半だけで3点を奪ったとはいえ、流れの中で形が作れていたとは言い難く、後半は攻め手を失って交代カードの意図も不明確。前節に見せつけられた実力不足の現状を払拭できたとは思えないが、勝ち点3と得失点差+3が自信につながれば何よりだ。それにしても、せめて後半に1点は取っておきたいところだった。

やはり長沢と渡邉のいる攻撃陣にはゴールの匂いが感じられ、伊佐と宇津元が起用された試合とは期待感が違う。今季における攻守の要と言ってよいであろう保田がU-19代表のヨルダン遠征で離脱しながらも、大きく崩れることはなかった。このあたりは、ポジティブな要素として捉えられる。濵田も好調を維持しており、今や欠かせない守護神に育ちつつある。

一番歯がゆいのは、世代交代が進んでいないことだ。有働も小酒井もサポーターの記憶に残るようなプレーは見せられていないが、一方で野村や伊佐らは全盛時のパフォーマンスを期待できなくなってきており、町田や梅崎はベンチにも入れない。これは下平前監督時代の方針が定まらず、高給取りのベテランを並べては、負傷で起用すらできずに放出してしまったことが影響している。今季は自動昇格を狙うには戦力も戦術も不足しているので、若手の育成にも力を割きたいところ。他チームに引き抜かれたとしても、資金に充当できると割り切るしかないだろう。