【大分―甲府】これが大分スタイルなのか

今日の甲府戦に勝って、大分は10勝4分5敗で勝ち点34の2位。とはいえ得失点差はわずか+1で、勝つときは1点差、負けるときは大量失点のいうパターンが定常化している。そして勝っている試合も快勝と思える内容ではなく、セットプレーや相手のミスに乗じたゴールが目立つ。まさに今節も相手のミスから中川がボールをさらったものと、セットプレーからのものだ。流れの中から相手を崩した得点が生まれた場面は、今季はほとんど記憶に残っていない。

しかし、これをファーストディフェンダーとしてのワントップ伊佐の起用と合わせて考えると、違う見方もできる。おそらく下平監督も意識はしていないだろうが、こうして泥臭くゴールを奪うのが大分の形なのではないか。伊佐を先頭に前線がプレスを掛けて、ボールを奪うかもしくはセットプレーを獲得する。これこそが大分の得点パターンだと割り切ってしまえば、それはそれでアリなのではないだろうか。

ただ、それではサポーターもすっきりした気分で試合を見られないし、ホームのレゾドで観戦した人が、また観戦したくなるような爽快感にはつながらない。これらをすべて解決する切り札は、優れたジョーカーが登場することだろう。現時点では候補が見当たらないが、負傷から帰ってくる渡邉新太は候補になり得るかもしれない。初登場した池田と松尾も悪くなかっただけに、今の持ち札でも巻き返すことができそうだという感触は得られたゲームだった。