【バスケ】アジアカップ予選 日本―中国

序盤の攻防を見る限り、やはり中国の壁は厚いのかと感じざるを得ない内容だった。フィジカルを活かしてガツガツ来るのは想定していたはずだが、1Qの立ち上がりはFGが入らない日本に対して中国がポイントを積み上げる。8点差がついたものの、井上の3Pが連続して決まったこともあって、何とか競り合う展開に持ち込んだ。

日本の守備も徐々に強度を増し、3Qの戦いは壮絶を極める。3Qの前半はお互いにほとんど得点が入らず、中国はショットクロックを使い切っては確率の低いシヨットで終わるというプレーを繰り返した。その意味では、日本の思うツボだったのだろう。

4Q終盤までもつれにもつれる中、日本は比江島がグアム戦同様にSFのようなペネトレーションからペイント内で勝負する。ホーキンソンと馬場も要所でインサイドからのポイントを決め、中国に流れを渡さない。オフェンスリバウンドという意味では、ホーキンソンの存在は本当に大きく、FGのミスを巧みにリカバリーしてくれていた。

残り1分25秒で井上が3Pでのシュートファウルをもらいながら、このFTを3本とも外してしまった時点では暗雲が立ち込めた。しかし、この嫌な雰囲気を断ち切ったのは、またしてもホーキンソンだった。ダブルチームで相手のボールホルダーをバックコートに押し戻すかのように追い込み、ボールを奪って一気のダンク。これが結果的には決勝点になったと言ってよい。

宿敵中国を振り切っての勝利は、選手に自信をもたらしたことだろう。この勢いに、うまく若手のパワーを加えながら、チームを一段高みに引き上げてもらいたい。