【映画】マーベルズ

<ネタバレあり>

 

「ワンダヴィジョン」と「ミズ・マーベル」の流れが「キャプテン・マーベル」に合流し、さらには「シークレット・インベージョン」や「ソー:ラブ&サンダー」の要素も集約される。エンディングには「ホークアイ」もつながり、台詞では「アントマン」にも言及している。これは、まさにMCUフェーズ6の「アベンジャーズ」に向けての重要な通過点ということに違いない。

ストーリーや考証はかなり破綻しているようにも感じたが、笑える場面が満載で楽しめる作品に仕上がっていた。特に猫のように見えるフラーケンが活躍する終盤は、これまでのMCUの積み上げがあったからこそ成り立つ展開で、見応えしかなかった。

一方で、この物語の背後にある人種問題も考えてみたい。白人のキャロル・ダンバースが黒人のモニカ・ランボーやアジア系のカマラ・カーンと入れ替わりながらチームとして戦う姿は、人種や民族を越えて結束することの意義を伝えている。ただ、それはクリー人という外圧があってこそのシチュエーションなので、「仮想敵国」がなければその実現が難しいということも、暗に提示しているのだろう。

時空の向こう側に行ってしまったモニカが、ミドルクレジットでは自身の母親のような姿をしたスーパーヒーローに出会う。そしてエンドクレジットの映像はなかったものの、フラーケンの声が聞こえてきた。MCUお得意の「~は帰ってくる」という表記はなかったものの、この先の物語に期待を持たせてくれるものではなかったか。「X-MEN」も含め、今後の展開が楽しみだ。