【バスケ】パリオリンピック予選 スペイン―日本

過去5戦全敗という記録は関係ないと思っていた。東京オリンピックでの日本女子の躍進も、予想されたものではなかったのだし、サッカーのアジアカップを見ても過去の戦績は参考にならない。

スペイン相手のこの試合で、AKATSUKI JAPANが勝った要因はディフェンスとオフェンスリバウンドだろう。スペインの攻撃は粗さが目立ったが、それを引き起こしたのは日本のディフェンスがタイトだったからで、単独ではなく組織的な受け渡しもうまくできていたように思う。スペインは苦し紛れの選択も多く、終盤には焦りも増し、4Q残り2分に起きた誰もいないところにパスを出してしまうミスは象徴的だった。

スペインはオフェンスでリズムを作れない中、FTの不調も響いた。何となくファウルをもらいに来ている感じもあったが、それで得たFTを決められなければ意味がない。日本の90%に対して、スペインは62.5%。これも、恐らくは想定外だったのではないか。

そして、オフェンスリバウンドだ。もともと男女を問わず、日本のバスケはリバウンドが苦手。特にオフェンス時には、ショットを打ったら打ちっぱなしという場面も多かったのだが、リバウンドを取りに行く意識も強かっただけでなく実際に奪えていたことが素晴らしい。

個々の選手を見たときに、印象的だったのは馬瓜ステファニーの表情。感情をストレートに表現するプレースタイルは、エブリンともどもチームのムードメイカーとしても重要な役割を果たしたはず。ストイックになりがちな日本人の資質にとって、試合に勝つためにはこういう明るさも必要なのだ。

この勝利で、オリンピック出場へは大きく前進した。続くは地元ハンガリーだが、ここを乗り切ってさらに前進してもらおう。