【ドラマ】ランドスケーパーズ 秘密の庭

全4話という短さの英国/米国ドラマだが、とにかく主演のオリヴィア・コールマンデヴィッド・シューリスの円熟味満点の演技だけでも見応えは十分だ。先日まで「ザ・クラウン」でのエリザベス女王役のコールマンを見ていた上に、「ファーゴ」でのシューリスの怪演を見た直後でもあったので、その演じ分けの対比も感じられた。

コールマンが天然キャラのスーザンを演じる上では、キラキラした目が非常に印象的かつ効果的。シューリスは「ハリー・ポッター」のルーピン先生よりはアクが強く、歯並びまで特殊メイクで作り込んで仕立てていた「ファーゴ」のヴァーゴほどには変人らしくはなかった。それでも、スノッブに憧れながら、それを醸し出すところまではいかない中途半端な英国紳士ぶりが、いかにも彼らしいところだった。

第3話までは演劇仕立ての設定も含めて興味深く見進めることができたのだが、最後の最後で落ちのつけ方が弱く、演劇性を強めてしまったことが逆効果になって不完全燃焼のエンディングだった。主役夫婦が殺人犯として裁かれる過程が重要であって、真実は闇の中ということもわかるのだが、それにしても煮え切らない終わり方だった。「シーズン1」という表記はあったが、さすがにシーズン更新はあり得ないと思われるので、製作陣が何を描きたかったのか聞いてみたいところだ。