【全豪オープンジュニア】クムスタット―坂本怜

オーストラリアン・オープンのジュニア男子シングルス決勝は、クムスタットに坂本怜が挑む。クムスタットはビッグサーバーの部類に入る選手で、特にアドコートのワイドサーブが強烈な上にコースも絶妙。恐らくは得意にしているようだ。ファーストサーブが入れば対処は難しいが、確率は決して高くないので、つけいる隙はありそうに感じていた。

ファーストセットを落としながらも坂本は攻める姿勢を失わず、いろいろと多彩なアプローチを見せる。終盤の厳しい場面でもネットプレーやドロップショットを見せたが、それよりも印象的だったのはストローク戦の中で見せるコースの打ち分け。窮屈な体制からバックハンドを繰り出したり、逆クロス気味の難しいショットを選択したりと見ていて楽しいテニスだった。

セレモニーでのチャンピオン・スピーチでは、「G'day mate(グッダイ・マイト)!」とオージー英語でつかみを見せる。すぐに日本語に切り替えてしまったのは残念だが、能登地震の被災者への思いをしっかりと語ったあたりは、とてもジュニアの選手とは思えない貫禄だった。

抜刀ポーズがお仕着せだったり、WOWOWのインタビュー対応で幼いウケ狙いに走ってしまうなど若さを感じさせる一面も見せた。デビスカップにも選出されているため今後は注目も高まるはずなので、自分を見失わずずに成長してもらいたい。