【全豪オープン】ダニエル太郎―バリオスベラ

ダニエル太郎の成長を、強烈に印象づける一戦だった。オーストラリアン・オープンの男子シングルス1回戦に登場したダニエル太郎は、バリオスベラを相手にファーストセットこそタイブレークまでもつれたものの、その後は楽勝と言ってよい展開で勝利を収めた。ディフェンダーの印象が強いダニエルだが、得意の長いラリーに持ち込んだ後で勝負に出るショットが素晴らしかった。自分からコースを変えるタイプではないと思っていたのだが、切れ味鋭いダウン・ザ・ラインも随所にあり、ネットプレーも冴えていた。

サーブの動きも、非常にスムーズになっている。高い身長を生かせていなかった頃が信じられないほどに、体重の乗った勢いを感じるサーブを叩き込んでいた。これだけのプレーができるのであれば、セカンドウィークへの進出に期待したいところだが、相手のバリオスベラの動きがぎこちなかったことも、また事実。今のまま勝ち進んでも、5セットマッチで強い相手にどこまで通用するかは未知数だ。

とはいえ、ダニエルの表情は自信にみなぎっていた。これは自信の成長を実感しているからに他ならない。特に勝利を決めた瞬間に人差し指を高く突き上げたポーズは、それを象徴しているだろう。いずれにしても、次はアンディ・マレー。結果だけではなく、内容でも楽しませてもらおう。