【全豪オープン】エラーニ/パオリーニ―クルニッチ/青山修子

WOWOWオンデマンドの配信を見始めてすぐに驚いたのは、コート3という小さいヴェニューに満員の観客が座っていたこと。日本国内の大会ならダブルスでもそれなりに集客できるとはいえ、グランドスラムとはいえ女子ダブルス2回戦のこのカードにこれだけ集まるのは意外でしかなかった。

ダブルスの経験という意味では、青山とエラーニが存在感を発揮する一方、長いラリーが終わってしまうのはクルニッチかパオリーニ。特にクルニッチは浮いてしまうショットが何度も見られ、回転なのかサーフェスなのか、何かがズレている感覚のまま試合が進んで行った。

青山らしい「えい!」の声が聞こえてくるようなポーチが何度も炸裂していたが、サーブが弱いのは宿命的で、入れに行くような遅いファーストサーブを外してしまっては、どうしようもないだろう。柴原瑛菜とのペアを解消したのも、青山自身が制約にならないよう配慮したのだと思っている。

青山はチェンジオーバーの際に、積極的にクルニッチに話しかけ、クルニッチもそれをしっかりと受け止めていたように見えた。クルニッチは無表情な印象が強いのだが、この日は笑顔も厳しい表情もあり、僕にとっては新たな一面を知ることができた。伊達公子さんが2度目の引退を迎えた際に最後の対戦相手だった彼女は、セレモニーの間も無表情ながら伊達さんへリスペクトを示していたので、それ以来好感を持っている選手だ。