【BJKカップ】日本―コロンビア Day-2

ビリージーカップのDay-2は、オソリオと日比野菜緒のシングルスから。昨日の出来を見る限り、コンディションが良いとは言えない日比野が絶好調のオソリオに勝つのは容易ではないと思っていた。試合が始まってみると、日比野は昨日よりサーフェスにフィットしているように見えたが、オソリオの調子はそれ以上だった。

日比野は、昨日の本玉のように、取れそうで取れないポイントを重ねたことでメンタルを消耗してしまう。ファーストセットを落としたところで切り替えができないまま、セカンドセットはベーグルという屈辱的な敗戦だった。ただ、ダブルスのアオシバを応援していた日比野は楽しそうに飛び跳ねてもいたので、そこは団体戦の良さで後に引きずらなければよい。これでコロンビアの2勝となり、勝ち抜けに王手がかかった。

続いては本玉真唯が登場したが、相手はリサラソではなくマリア・エラゾ・ゴンサレスに変更された。これはおそらく、昨日の本玉の出来を見て、オソリオ以外の選手は誰を当てても勝てそうもないことを察し、ある意味「捨て試合」にしてダブルスに賭けたと思われた。アオシバは確かに強豪だが、ダブルスはちょっとした流れで勝敗が動くし、東レPPO以降のアオシバのコンディションもベストには程遠かったから、コロンビアが勝つ算段をしたとしても不思議ではない。

結果的に本玉は、危なげなくゴンサレスを下し、勝負の行方はダブルスに託された。これは僕が望んでいたことであり、勝負の掛かった真剣勝負のアオシバを見たかったので、日比野の敗戦を望んでいた一面もないわけではなかった、もちろん、これほど完膚なきまでにやられてしまうことは想定外だったので、観戦していて気分はよくなかったのだが…

コロンビアは単にゴンサレスとリサレソを入れ替えたでけでなく、リサレソをオソリオと組ませたことは意外だったが、デビスカップの日本が錦織をダブルスに起用したのと同じ戦法でもあるので、決して奇策ではない。ファーストセット序盤はパワフルなテニスで互角に展開し、青山のサービスゲームがキープできずに苦しんだ。青山にサーブを回す前に終わりたかったセットポイントは逃したが、結果的に青山がキープに成功した上で第12ゲームをブレークして振り切った展開は悪くなかった。

セカンドセットは若干余裕のある展開。柴原は強打に徹したことでミスもあったが、攻めた結果のことなので納得ずくだろう。終盤には青山が神懸ったプレーを連発して、有明コロシアムの観客を大いに盛り上げた。勝利後のインタビューでは、青山も柴原も声を震わせて、大観衆の前での勝利を噛み締めていた。

上層階をクローズしたことで観客が密集して、一体感は増した。キャプテンの杉山愛さんも選手たちも、観客の後押しを喜んでいたが、当の観客にしてみればもろ手を挙げて喜べる環境ではなかったこともまた事実。タダ券をばらまいて呼び集めた観客は、チェンジオーバーでしか入退場できないことを知らず、サーブの態勢に入っても平然と席を移動する。乳児が複数個所で声を出し、テニスに興味のない人たちはスマホをいじりはじめ、前の席を蹴ったりもする。そして何よりも、上層階のトイレが使えないことでトイレ待ちが長蛇の列になってしまっていたことも、せっかくのテニス観戦体験を後味の悪いものにしてしまったはずだ。

日本テニス協会は、恐らくこのあたりの状況を正確に把握できていないだろうが、しっかり振り返りを行って次につなげて欲しい。スポーツ全般に言えることだが、タダ券で観客を水増しする行為は百害あって一利なしだと、個人的には確信している。