【全豪オープン】青山修子/柴原瑛菜―ガウフ/ペグラ

オーストラリアン・オープンの女子ダブルス準決勝で、青山と柴原が挑む相手はガウフとペグラ。シングルスでも結果を残す選手たちであり、特にペグラは好調を維持している。そんな強敵に対して、アオシバ組は果敢に攻め込んだ。今大会では、これまでのパターンとは逆に青山が後ろ、柴原が前というフォーメーションの方がポイントを挙げていたが、この試合に限っては本来の形が生きていた。つまり、青山のポーチが冴えわたっていたということだ。

今大会序盤では試合中にトレーナーを呼ぶこともあった柴原は、おそらくベストな状態ではなかったのだろう。それでも、時折迷いを感じさせるプレーになりながらも、気持ちでは負けないという意識がWOWOWオンデマンドの配信映像からも、しっかり伝わってきた。日頃からポイントを決めた際には「オイ!」という感じの声を出す柴原だが、この日は絶叫に近い発声が続く。ポイント間でも、青山に引っ張られる若手というポジショニングを完全に卒業し、雰囲気も作っていたようだ。そのことは試合後のインタビューで青山が語っている。

ガウフとペグラが後方に貼り付いて、二人の間を抜かれないような位置取りをしていた場面で、柴原が迷って打ち切れなかった後に青山がワイドに角度を変えてうまく落としたシーンこそは、二人のテニスの真骨頂だった。普段から低く構えて相手のサーブを待つ青山だが、その低さが一段と増していた点にも、青山の気合を感じた。いつもの「えい!」という掛け声はこの日も響いており、僕の中で青山はサムライにしか見えなくなっている。

決勝の相手は、最強と言ってよいクレイチコバとシニアコバ。簡単に勝てるような相手ではないが、今のアオシバならチャンスはあるはず。油断はしてくれそうもないが、慌てさせて流れをつかむことはできるだろう。