【ローランギャロス】西岡良仁―セイボトウィウド

18時の試合開始時点では、女子ダブルスの青山修子/柴原瑛菜とミネン/ボンダルの試合を見ていたが、強打で青山を狙う戦術に苦戦したアオシバが持ち味を出せずに敗戦。パワーショットをなんとか返そうとすると、かえってミスを招いてしまう悪循環で、好調だった柴原のポーチも活きなかった。これはもう如何ともしがたいことなので、次にどうつなげるかが鍵になるだろう。

そして、アオシバの試合が終わった時点で、西岡の試合はセカンドセットのタイブレーク。相手はブラジルの選手で、"Seiboth Wild"という綴りを日本語に表記するのは難しいが、セイボトウィウドが妥当だろう。スタンドのオーディエンスからは、「チアゴ」とコールされていたようだ。この選手は初戦で第2シードのメドベージェフをフルセットで下したクレーコーターなので、ATPランキングは172位とはいえ簡単な相手ではない。西岡はファーストセットを落とし、セカンドセットも2度のブレークダウンから何とか追いついたタイブレークを逆転で取ってセットオールとする。

ここで勢いに乗りたかった西岡だが、ドロップショットが甘くなったりネットプレーでミスする場面が目立ち、セイボトウィウドが巧みなラケットさばきとスライドでドロップショットを見事に決めていることと比較すると、明らかに見劣りがした。また、回転を変えたショットが有効なのに、相手のペースについつい合わせてしまっていたことも、西岡の展開を苦しくしていた。

セットダウンからのフォースセットは、いきなりのブレークを守り切ってファイナルセットにもつれ込む。ここでも西岡がいきなりブレークすると、ミスが多くなっていたセイボトウィウドのモチベーションが削がれてゆくのが見て取れた。結局このセットはベーグルで西岡が奪い、3時間38分の熱戦に終止符を打った。西岡の体力面は心配だが、ドローも悪くないのでセカンドウィークにも期待したい。