【ドラマ】あなたは誰? エリン・カーター

これが何を扱っていて、どんなジャンルの作品なのか。序盤は、それを理解しないままに見進めていた。見終わって見ると「ブレイキング・バッド」に近い印象で、コメディの要素を織り込んだアクションが見どころのクライム・サスペンスだった。主人公は英国からバルセロナに移住した代行教員のエリンなのだが、その実体はエピソードが進むにつれて明らかになる。

犯罪者グループの裏ボスと英国でのエリンの生活をつなぐ要素が希薄なので、その点については無理やり感が否めない。それでも舞台仕掛けとしては、それなりに練り込まれているので、「まあアリだな」と思えてしまうのだ。そのあたりがコメディ要素でもあるのだが、本当に笑ってよい場面なのかどうか確信が持てないところが収まりの悪さにもなっている。

俳優陣は、有名どころを揃えたというよりは、いかにもなアウトローを集めた印象。もちろん主演のエヴィン・アーマドや悪人のダニエル・ラングを演じるダグラス・ヘンシュオールといった面々はいろいろな作品に登場する名優なのだが、切羽詰まった緊張感のあるアクションに見どころがあるので、演技をじっくり堪能するという性質の作品ではないということなのだ。

リミテッドシリーズという位置づけではあるが、シーズンファイナルな何となく次につながりそうな雰囲気で終わっている。まさかのシーズン2があるのか。Netflixが製作してくれることに期待したい。