【ELLEGARDEN】千葉マリンスタジアムライブ@WOWOW

開幕から疾走感を伴った演奏で、息つく暇もないくらい一気に走り抜けた。WOWOWで放送されたエルレのライブは、まさにそんな印象だった。エルレの楽曲は短いものが多いので、畳みかけるような構成になっているのだろう。1曲目に「Breathing」を持ってきたのはちょっと意外だったが、「Supernova」や「風の日」、「ジターバグ」「Make a Wish」といった懐かし目で盛り上がる曲をちりばめているあたりは、練り込まれたセットリストになっている。

細美武士エルレでは、the HIATUSMONOEYESのときに比べても、童心に帰ったような無邪気でピュアなロックンローラーになる。それは、ある意味生形真一も同様で、饒舌で感情が表情にはっきり出るあたりはNothing's Carved in Stoneではなかなか見られない姿だ。このバンドにおいては音楽性とか収益とか以上に、演奏していることがただ楽しいと思える何かがあるのだろうし、それはつまりアマチュアに近い感覚なのかもしれない。

「Male a Wish」のシンガロングで盛り上げて終演を告げてからの2曲、そしてアンコールの「高架線」と「Pizza Man」と続くフィナーレはいかにもでもあり、オーディエンスの期待そのものだったことだろう。やはり「ペパロニクワトロ!」は叫びたくなる。この後には「金星」も演奏したようで、それを放送から外すのは致し方ないとはいえ、聴けないのは残念だ。

個人的には「ダークファンタジー」が聴きたかったのだが、恐らくライブではやらないだろうなという気もしていた。千葉マリンのこの熱気の中に参戦する勇気はないので、僕にとってのエルレは、どこかのフェスで見るか、もしくはオンラインになりそうだ。