【ELLEGARDEN】The End of Yesterday

再始動から16年ぶりのアルバムということで僕もすっかりノーマークだったが、知人のツイートで気づいて即座にダウンロードしたエルレの「The End of Yesterday」。全体を通した印象としては、エルレらしさが満載だ。ベースはオーソドックスなロックながら、いろいろな要素が振りかけられている。例えば、アレンジはエルレ本来のシンプルなものにthe HIATUSのきらびやかで洗練された要素が加わっている。ボーカルの被せ方はMONOEYESに似た部分もあり、個々の活動で積み上げられたものがハイブリッドのように、このアルバムを織り成している。

僕がエモさを感じてしまうのが、佳曲「ダークファンタジー」の序盤。静かに、そしてドラマティックな予感を纏いながら曲が始まり、ほんの一瞬のブレイクを経て「このまま」という歌詞が入る瞬間だ。コーラスのエフェクトを帯びた音に乗せられた「念」が歌詞の「こ」に集約されていて、何度聴いてもゾクゾクしてしまう。こここそが、細美武士の思いが特に詰まった部分なのだと感じる。

まだ聞き込めていない状況なので、これからもいろいろと気づくことがありそうだ。アルバムを通して聴くと、ちょうど通勤時間に合うくらいの時間なので、世界観に浸るにもちょうどよい。イヤホンの中で少しだけ音を大きめにさせてもらって、朝の時間を独り占めにしよう。