【バイデン大統領】就任式&祝賀コンサート

トランプの後味の悪い振る舞いとキャピトル・ヒルを襲った暴動のおかげで、必要以上に注目を集めた米国大統領就任式。厳戒態勢の下、防弾スーツに身を包んだペンス前副大統領夫妻、ハリス副大統領夫妻、そしてバイデン大統領。僕が期待していたのは、レディー・ガガの国家斉唱だったが、迫力あるフレージングに子音を立てた正統派の圧倒的な歌唱で存在感を示していた。その後に登場したジェニファー・ロペスは、やや緊張感を漂わせていたように思うが、ガース・ブルックスの「アメイジング・グレイス」はドヤ顔での自信満々な歌いっぷりだった。

そして現地夜の祝賀コンサートも、多彩なミュージシャンが競演してくれた。ジョン・ボン・ジョヴィはDCではなくマイアミからの出演だったが、曲がまさかの「ヒア・カムズ・ザ・サン」。確かにジョンはもはや高音が出せないので、ライブでも「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」のサビをオーディエンスのシンガロングに振るくらいなのだが、「ヒア・カムズ~」もキーを下げて無難すぎる演奏だった。MCに起用されたトム・ハンクスは、表情こそ堅かったが語りはさすがの一言で、安定感があった。

そしてクライマックスは、ケイティ・ペリーが歌い、背後に打ち上げられる過剰なまでの花火。アメリカに、いや全世界にたまったコロナ禍の鬱憤を晴らすかのような演出だった。バイデン大統領は笑顔を見せつつ、感極まったような表情もあり、この年齢で訪れた幸せと責任の大きさを実感していたのだろう。