どう始まってどう終わるかが計算し尽くされたアルバムほど、余計なボーナストラックはつけて欲しくないと思っています。テンポを変えたり次の曲への流れを保ったりという聴き方も大事なので、シャッフル機能すら好きではありません。その意味でハイエイタスの新譜「Our Secret Spot」は39分という限られた時間の中で、流れの完成度が非常に高くなっています。
ハイエイタスらしいミディアムテンポですが、Monoeyesのような小気味よさも交えた楽曲で、ギターやキーボードのリズミカルな和音が何とも心地よく感じられるのです。細美武士の英語は川上洋平ほどネイティブっぽくはなく、村松拓のような日本人の発音でもなく、それでも選んでいる言葉のセンスがいかにもアメリカ的。一言一言にしっかりと意味を籠めている感じが受け取れます。
特にキャッチーな曲は最後の「Moonlight」くらいですが、それぞれがあまり主張しすぎないだけに、通して聴くととても自然に流れます。僕にとっては、飽きの来ないアルバムになるという予感を漂わせていました。
