【ラグビーワールドカップ】ニュージーランド―南アフリカ

この決勝の行方を大きく左右してしまったのは、間違いなくケインに出されたレッドカード。日本のラブスカフニも似たようなプレーでイエローカードをもらっていたが、それと比べて悪質だったようには見えなかった。あの判定には疑義があるし、決勝戦という舞台でカードがチームの命運を分けてしまうのは何とかしてほしい。

そんな中、ロースコアな展開でPGを積み重ねる南アフリカに対し、ニュージーランドは果敢にトライを狙う。南アフリカのシンビン中に、ニュージーランドはSOの突破から右WTBをおとりに使って最後はSHがトライという見事な攻撃を見せるが、ラインナウトからの流れの中でのノックオンを取られてまさかのノートライに終わってしまう。

しかし、仕切り直しの攻撃でニュージーランドは敵陣ゴールライン深いところでラインナウトを選択。ひとり少ない状況ながらモールを押し込む。アドバンテージがニュージーランドに出たところで、モールに参加していた右WTGがラインに入り、オープン攻撃がスタンバイ状態になっていた。FW陣で押し込む展開から、大きく飛ばして左WTGにボールが渡り、最後はタックルを受けて倒れながらも後方にパスを出してFBボーデン・バレットのトライを呼び込んだ。

しかし、トライが大外になってしまったことでコンバージョンは失敗。1点差で迎えた終盤の距離のあるPGも失敗し、南アフリカが逃げ切った。終盤の追撃は見応えがあったが、人数のハンデは如何ともし難かったということだろう。

ちなみに、この決勝戦の舞台はサン・ドニだったが、明日から本戦が始まるパリ・マスターズに向けてフランス入りしていたのであろうジョコビッチフェデラーも観戦していた。