【大分―秋田】結果は残した

相変わらずの攻め切れない展開ながら、後半アディショナルタイムに松尾のシュートが秋田DF高田のハンドを誘発し、このPKを梅崎が左ポストぎりぎりに決めて何とか大分が勝ち点3をものにした。前半の早い時間に鮎川のゴールで先制したことで、前節の繰り返しがよぎっていたから、早目に追いつかれる展開は悪くないと思っていた。しかし、それはあくまで追加点が奪えてこそのこと。あのまま1-1で終わっていたら、何の意味もないところだった。

この日の大分も、この期に及んでメンバーをいじってきた。ただ、以前にもあった長沢のトップに鮎川が絡むという形で先制点を取れたので、期待も高まったことも事実。その後になかなか同じ形が見られず、サイドで詰まってしまう既視感満載の展開になってしまい、見ていてもフラストレーションが溜まる一方だった。サブからの出場となった野村の動きもまだまだだし、中川はあまりボールに絡めない。ストライカーの控えが伊佐だけという心許ない状況では、左サイドからの攻撃に松尾が摘める形に期待するしかなかった。

しかし一方でここのところ不調な高畑は、セットプレーでもチャンスにならないし、ミドルシュートもふかしてしまう場面が続く。藤本、香川と左サイドのスペシャリストを並べた割には、効果的な攻撃にならなかったことも含めて、大きな反省点だろう。

そういえば、大分がJ3に落ちていた2016年の秋田ホームの試合も、後藤優介のPKが決勝点となる勝利だった。苦しい試合を勝ったことで勢いが出ることに期待したいが、これで慢心して金沢に足元を掬われては元も子もない。