【バスケワールドカップ】オーストラリア―日本

できることはやった上で、実力差を埋められなかったゲームだった。ドイツ戦のように、何もかもがうまくいかなかった内容ではなく、ここからパリオリンピックの出場権を目指す順位決定戦に向けて、意味のある敗戦だったように思う。さすがにオーストラリアは高く強く、そしてうまかった。リバウンド奪取から次のプレーへの移行が早く、そしてこれまでの対戦相手とは段違いだった。

フィンランド戦では思うようなプレーを見せられなかった渡邊が復活し、ジョシュとともにチームの得点を牽引した。そして何より、ここまで良いところがなかった富樫が本領を発揮し、3Pを4/6という高確率で決めてくれたところがうれしかった。フィンランド戦で注目を集めてしまった河村と富永はやや精彩を欠いたことは残念だが、次にはつながるのではないか。富永は序盤、ラインのかなり後方から無理に3Pを狙うシーンが多く、その結果として3pは0/10という散々な結果になってしまった。しかし、後半は3P狙いを捨て、一歩踏み込んで確実に2Pを狙うプレーに修正してうまく行った。この経験はを活かして欲しいものだ。

総力戦が求められる中、やはり層の薄さは堪えた。吉井や原、西田、川真田は残念ながら貢献することができず、ミスばかりが目についた。これは日本バスケのレベルなのだろうが、Bリーグを起点に世界に出てゆく選手を増やさないと、急に何かが変わるとは思えない。フィンランド戦の勝利がゴールではないので、ここからの強化に期待したい。そして順位決定戦では、圧倒的なパフォーマンスで結果をつかんでもらおう。