【なでしこJAPAN】ブラジル戦

ブラジル遠征2連戦の初戦は、静かな立ち上がり。日本がボールを握りながらも、スコアレスの状況が続く。ビルドアップで長谷川に頼り過ぎ、サイドでは安全策で下げる場面が目についていた中、先制ゴールが38分に生まれる。左サイドに流れた宮澤の低いクロスを受けた長谷川が受け、フリーになっていた藤野に出してゴールを演出するという美しい連携だった。

しかし、ここからブラジルのペースに移行する。直後に直接FKを決められて追いつかれると、61分には中盤でのロストから失点。長谷川頼りの中盤がボールを出しあぐねている間に寄せられ、そのまま持ち込まれるという反省点が明確な失点だった。さらには、その直後にもGKからのビルドアップを熊谷がさらわれて失点。この連続失点は「魔が差した」時間帯とも言えそうだが、ブラジル相手にやってはいけないプレーの象徴だった。

ちなみに、ブラジルとの一戦ということを特別視する傾向もあるようだが、女子のブラジルはとびぬけた強豪ではない。FIFAランキングでいえば、日本の1つ下で、ともにベスト10に入るというところ。日本はワールドカップ優勝国であることを考えれば、日本の方が格は上だろう。

なでしこジャパンは2点のビハインドから一度は追いつく。遠藤のPKに続いて、右サイドを上がった清水のクロスにDFと競り勝って足を伸ばした田中美南が蹴り込む。ここまで、ゴールに絡んだのは全員ベレーザ現役かOGということで気分がよかったが、この田中のゴールはその中でも格別だった。

結果的にはGK平尾のポジショニングミスを突かれて3-4の敗戦となったが、親善試合としての収穫は十分にあったはず。反省点をチームで見直して、次の試合に臨みたい。ブラジルの地での勝利も見せてもらおう。