【ムバダラCiti DC OP】綿貫陽介―オジェ・アリアシム

ワシントンDCで開催されているムバダラCiti DC オープンの男子シングルス2回戦で、綿貫陽介はフェリックス・オジェ・アリアシムと対戦。綿貫は1回戦でブレークダウンの状態で、対戦相手のウー・イービンが熱中症で倒れ、そのまま棄権したことで勝ち上がっていた。その意味では、当たって砕けろ、失うものは何もないという気持ちになるにはもってこいのシチュエーションだった。

この日の綿貫は、とにかく攻撃的なスタイルを貫いた。ファーストセットはお互いキープを続けたままタイブレークにもつれ込んだが、とにかく一歩も引かない。好調なサーブで弾みをつけ、ショートポイントでの決着を狙ってゆく。オジェ・アリアシムもしっかり応戦していたが、12-10という死闘を制したのは綿貫だった。不本意な判定にはクレームこそつけていたが、その表情は楽しんでいるように見受けられた。メンタル的にも安定して、チャンレンジャーとしてモチベーションも上がっていたのだろう。

セカンドセットもキープを続けたまま終盤に。綿貫の5-4で迎えたリターンゲームで0-30というところまで行ったものの、これまたタイブレークに突入する。3-3からのポイントはお互い素晴らしいプレーを繰り広げたが、綿貫の渾身のクロスがウィナーとなって、これが大きなミニブレークとなった。ここから綿貫が2つキープし、次のオジェ・アリアシムのサーブを破って綿貫が勝利を収めた。勝利後は控え目に、スタンドに手を振っていた彼は、Twitter改めXでは「やっとトップ20に勝てた」とだけ発信した。まだまだ行くぞという表明だと信じて、次のユンベール戦にも期待しよう。