【ローランギャロス】西岡良仁ーJ.J.ウルフ

ローランギャロスの初戦で、ウルフ相手に西岡は最悪の立ち上がり。まったく流れをつかめないまま2セットダウンとなって迎えたサードセット。このあたりから、ウルフのサービスが入らなくなり、西岡がセカンドサーブを狙ってリターンを決める場面も出始める。西岡も決してサーブが好調というわけではなかったのだが、ラリーは望むところであり、長いラリーになるとウルフの方がミスが多くなる。

セットオールとなってファイナルセットに持ち込むと、心理的には西岡が優位になる。3セットで終わらせるつもりが、それが果たせずに試合が長引くと、リードしているウルフの方が切り替えが難しくなる。西岡はサードセットに入った時点で、勝つにはフルセットしかないので、当然それを意識してプレーしてきたことだろう。ウルフは普段からそうなのかもしれないが、早く終わらせたい雰囲気満載で、その差が出たようなファイナルセット序盤だった。西岡が3ゲームを連取して、第4ゲームも3本のブレークポイント。ところがここでウルフが反撃に出る。

5ポイントを連取してキープすると、続くリターンゲームもラブゲームでブレーク。結局10ポイントを連取したところで西岡が返し、ここからブレーク合戦になる。最後は西岡が思い切り叩きつけるショットで勝利を決め、そのままレッドクレーに仰向けに倒れ込んだ。大逆転を遂げた達成感の表現は見ていても心地よかったが、ネットのこちら側まで来て笑顔で祝福したウルフも素晴らしかった。西岡の次戦はパーセル。十分に勝てるはずの相手だ。