【スターズオンアイス】配信ライブ 4/9横浜

世界選手権と国別対抗戦に挟まれた期間に、米国を中心にかなりの数の選手が参加した「Stars on Ice」。大阪、奥州と回って、最後となる横浜アリーナでの公演は、ぴあがライブ配信してくれた。カメラの位置やカメラワークには課題があり、回線の問題でやや滑らかさに欠ける部分もあったものの、全体的には充実した内容で満足できる内容だった。

とにかく素晴らしかったのは、羽生結弦のエンターテイナーぶり。東京ドームのショーも良かったが、この一曲に集中している感じがより強く、華麗なステップやマイムに彼のスケーターを超えた表現力が集約されていた。とてもスケート靴を履いているとは思えないような軽くて繊細なステップは、曲と完全にシンクロしていた。そして選手時代から変わらない「ありがとうございました!」の絶叫や、ジェイソン・ブラウンと絡んでのカーテンコール的なパフォーマンスも、いかにも彼らしいところでファンの心を掴んで離さない。

二部構成の一部は実力的にはやや劣る選手たちだったが、表現力という意味では充実していて、満員のオーディエンスへのアピールも十分だった。二部の方が、疲労や国別対抗戦を意識してセーブしている様子も感じられ、やや物足りなかったのは致し方ないところだろう。気になったのは、アレクサ・シメカ・クニエリムとペアを組むブランドン・フレイジャーが動きに切れを感じられなかったところ。10人のグループで滑る部分でも、明らかに振りが遅れ気味で、時差なのか疲労なのか冴えない滑りだった。今週の国別対抗戦にも出場予定なので、これが続かないことを願っている。