【ワールドカップ】決勝トーナメント展望

カタール・ワールドカップの決勝トーナメントは、ここまで4試合を消化していずれもグループリーグ1位チームが勝ち抜けている。実力値を考えれば妥当な結果でもあるが、1位通過した国の中ではモロッコと日本が世評としては高くない。クロアチアは決して楽な相手ではないが、モドリッチがすでに37歳ということを考えれば日本のプレッシングはハマりやすいだろうし、スピードで裏を取ることも十分可能ではないか。

グループリーグの結果で考慮すべきはピーキングの問題。日本は間違いなく、初戦のドイツに向けて準備してきたものを、3バックにブラッシュアップしてスペイン戦にもぶつけた形だった。優勝を狙う強豪国は、グループリーグを勝ち抜いた後を想定しているはずで、堅く勝ち点を積み重ねることを狙うもの。延長戦のあるノックアウトステージということもあって、戦い方は変わるはずだ。また、グループリーグは最終戦を残して勝ち抜けが確定していれば、ターンオーバーすることも多い。グループリーグの結果は参考にはなるものの、決勝トーナメントにどこまで余力が残っているかがポイントになる。

言い換えると、決勝トーナメントを含めた4週間を想定しているかどうかということ。長丁場の戦いではプレーの質は落ちる。お互いに疲労が蓄積している上に、自国のプレッシャーもどんどん高まるからだ。さすがに決勝は別として、準決勝までのゲームでは質の高い連動は期待できず、個人技が重要になる。これまで試合に出ていない柴崎や町野にも活躍の機会があるかもしれない。コスタリカ戦のような展開では、ゲームメイカーとしての柴崎投入はあり得るし、終盤までもつれた場合に町野は有効なはずだ。

せめてクロアチアに勝って、ブラジルとの一戦を見たい。その場合の相手が韓国だったとしても、それはそれで見応えがあるというものだ。