【全豪オープン】バーティ―ガブリロワ

WTAランキング1位ながら、コロナ禍の丸1年は大会に出場していなかったアシュリー・バーティだが、前哨戦のヤラバレーを制して全豪1回戦も圧倒的な強さで勝ち上がってきた。一方のガブリロワも、負傷から復帰したばかり。展開も勝敗も予想が難しい対戦となった。

お互いアスリートらしい選手同士で、バーティは静かで堅実な印象のテニスを繰り広げ、ガブリロワは闘志と負けん気を剥き出しにして対抗する。序盤はバーティが安定したプレーで有利に進めていたものの、セカンドセットの中盤に流れが一気にガブリロワに傾く。2セッツダウンで勝負は見えたかと思いきや、バーティのショットが乱れ、サポーターを巻いた左足を気にする仕草を見せる。思い切りを欠いたような、自信を失ったようなプレーにも見えた。

そして、よもやのタイブレーク。競り合いの中でガブリロワもセットポイントを握るものの、これをセーブしたバーティが最後は何とか逃げ切った。ここまでバーティを追い詰めておきながら詰め切れなかったガブリロワだが、今のランキングと状態を考えれば、今後に向けて大きなステップとなったはずだ。試合の後にふたりは、しっかりと握手を交わし、仲の良さを見せつけていた。オンコート・インタビューは、バーティのかつてのダブルスパートナーだったデラクア。今日が誕生日の彼女に向けたバーティの軽口をきっかけに、スタンドが"Happy Birthday to You!"の大合唱になったシーンも印象的だった。