【フィギュア】NHK杯 Day-2

NHK杯の2日目、ペアは今大会の顔ぶれを見ても三浦/木原組の優勝は堅いと思っていたが、演技の内容も充実していた。これまではハラハラしながら見守っている印象だったが、今回は余裕をもって演技を披露してくれていて、二人の表情にも不安の要素はあまり見られない。二人のコミュニケーションも向上している雰囲気を感じるので、まだまだ伸びそうだ。

女子シングルは、坂本花織の演技がもったいなかった。優勝したキム・イェリムとの合計のポイント差は2.62だったが、坂本が最後の3Loを決めていれば、GOEを抜いても基礎点1.1倍で5.39が入ったはずなので、優勝できたのだ。FSではキムよりも高得点をマークしていただけに、最後のジャンプの取りこぼしが痛恨のミスになってしまった。ただ、ここは通過点でしかないので、全日本以降に向けてブラッシュアップしてくれるだろう。動きの重さは気になるところだが、しっかり仕上げてくれるだろう。

アイスダンスでは、小松原夫妻も以前に比べるとスケーティングが安定し、深みが出てきたように見受けられた。二人とも真面目なので、表情や演技という意味で出し切れない部分があることは大きな壁だろう。表現することに対する遠慮が、まだ残っているのは実に日本人らしいともいえる。村元/髙橋組は表現力には長けているが、ツイズルあたりから疲れが明らかに見えてしまい、技をさらのがやっとの状況に陥った。髙橋大輔の年齢や村元哉中との体格差が小さいことは如何ともしがたいので、プログラムとコンビネーションでカバーするしかないはずだ。

男子シングルは、山本草太がSPの順位をキープできるとは思えなかったが、英国大会のサドフスキーのような大崩れには至らず、何とか2位で表彰台に乗ってファイナル出場も確定したことが素晴らしい。最初の4Sが絶妙だっただけに、3Aを2本失敗してしまったことは非常に残念だが、SPでの貯金でチャ・ジュンファンを上回った経験は今後にも生きてくるだろう。個人的にはアダム・シャオ・イム・ファに期待していたが、芸術的なマイムは堪能させてもらったものの、終盤のジャンプのミスで沈んでしまったことが残念だった。