【スイスインドア】マウ/ロジェバセラン―ドディグ/クライチェク

バーゼル大会のダブルス決勝は実力者のベテラン同士の対戦。どちらに転んでもおかしくない接戦だったが、ドディグとクライチェクが勝ち切ったのはクライチェクのサーブが効果的だったからだ。ファーストセットはドディグとクライチェクが第10ゲームをブレーク。セカンドセットはキープが続く中で、マウとロジェバセランがディサイディングポイントを取り切れずタイブレークに。4本のマッチポイントを握られながら3本セーブしたが、最後はクライチェクのサーブのリターンがロングになった。

マウとロジェバセランは、準々決勝、準決勝とセットダウンになりながらマッチタイブレークを制して勝ち上がってきた。1回戦もマッチタイブレークなので、彼らは全4試合でマッチタイブレークを戦ったことになる。決して好調とは言えない中でも、勝負所を熟知しているからこその勝ち上がりだった。マウは明らかに、自分の思うようなテニスができていない印象で、ロジェバセランがうまくカバーしていた。ただ、本当に必要なポイントではマウが真価を発揮したのも事実だ。

マウ40歳、ロジェバセランが38歳。楽天オープンで優勝した3年前もすでに大ベテランだったが、そのレベルのプレーを今も続けていることが素晴らしい。ツォンガとシモンが今季で引退して世代交代が進むフランステニス界。トリコロールの旗を、楽天オープンで振る機会がますます減ってしまいそう。慶應チャレンジャーにペールがエントリーしていて楽しみにしていたのだが、腰の負傷でキャンセルしたことも残念だ。まだまだあのトリッキーなプレーを見たい。