【EUGENEコリアオープン】西岡良仁―シャポバロフ

中国での大会が中止になったことで、テンポラリーの扱いで開催されたコリアオープン。シングルス決勝では準々決勝でルード、準決勝でコバチェビッチを破って勝ち上がった西岡がシャポバロフと対戦した。ここまでの試合で、ソウルの観客の西岡への反応は上々。反日感情が垣間見えることもなく、プレー中からどよめきが起きることがデフォルトで、非常に盛り上がったスタンド風景になっている。

ファーストセットの立ち上がりから、シャポバロフはパワー全開。強いショットに押されまいと西岡もハードヒットで対応した結果、地力の差が出てしまっていた。しかし、徐々に西岡の持ち味である多彩な球種で相手を惑わしはじめ、ラリーに持ち込めるようになってくる。回転を変えることでシャポバロフのエラーが増え、それでまた心が乱れるという西岡のペースにハマり、5-4からのブレイクという合理的なテニスでこのセットを奪う。

セカンドセットは先にブレークを許したものの、早目に追いつくことができたことで流れを渡さなかったことは大きい。どちらに転んでもおかしくない好勝負だったが、シャポバロフの強気が裏目に出て粗さにつながる一方、西岡は我慢して自分のスタイルを貫いたことが奏功したように思う。タイブレークにもつれこんだものの、最後はシャポバロフのアンフォーストエラーで勝負あり。西岡が2018年の深圳以来となるATPツアー2勝目を挙げた。

何度かトレーナーを呼んで肩の治療をしていたことは気がかりだが、この勢いを楽天オープンでも見せて欲しい。週の後半には観戦するので、そこまでは残ってもらいたいものだ。