【ローランギャロス】西岡良仁ーオジェ・アリアシム

テニスの、いわゆる全仏オープンは雨模様のローランギャロスで第2日が行われ、西岡良仁はNEXTGENの一角を占めるオジェ・アリアシムと対戦。開始早々からパワー全開で押してくる相手に先にブレークを許すものの、ここなら西岡の本領を発揮。ステイバックのポジションからラリーに持ち込み、回転やバウンド、コースを緻密に打ち分ける西岡らしいテニスを展開して静かに反撃を開始する。

オジェ・アリアシムが畳みかけようとネットを取れば鋭いパッシングで抜き、ラリーが長引くとオジェ・アリアシムのショットがロングになる場面が目立った。西岡はブレークポイントを握られてもセーブし続けたので、徐々にオジェ・アリアシムのメンタルが揺らいでくる。声を荒げるシーンも多くなり、完全に西岡ペースに持ち込むと、サードセット終盤に追い上げられながらも振り切ってストレート勝ちを収めた。

前日の錦織は、対戦相手のダニエル・エバンズともどもアップダウンの激しい展開だったが、これは立ち上がりに雨、風、寒さから体が動かずにアンフォーストエラーを繰り返した錦織を見て、エバンズが油断してしまった一面もありそうだ。もう少していねいなテニスをされていたら、いかにフルセットが得意な錦織でも勝ち切るのは難しかっただろう。状態の悪さと、それでも勝つ術を心得ている経験の両方を見せつけた一戦だった。