【ウィンブルドン】錦織―ジョコビッチ

ラリーの場面で、ミスを犯してしまうのは錦織圭だった。例えばバックハンドでの打ち合いが続き、ここでフォアに変えるというタイミング。あるいは、ジョコビッチの逆をついてダウン・ザ・ラインを突く場面。そんな勝負どころでことごとくアンフォーストエラーを犯してしまうと、ストレスも溜まったことだろう。

ジョコビッチは決してベストな状態ではなかったし、これまでの試合で観客やメディアを敵に回していることを気にしている様子もあった。終盤には、チェア・アンパイアのカルロス・ラモスさんに対して"Double standard! "と罵ってしまい、観客から激しいブーイングまで浴びた。ただ、だからこそ無理をせずに、ディフェンスから入る戦術でじっくり錦織を追い詰めることができたのだろう。

錦織本人も語っているように、サードセットに得たトリプルのブレイクポイントを取っていたら、展開はまったく違っていたはずだ。キリオス戦で痛めた肘の影響もあったのだろうが、あまりにも悔しい敗戦となった。この後は得意なハードコートシーズンであり、前年のポイントがない期間にも入ってゆくので、ポイントのマイナスを恐れずにプレーすることができる。よい準備をして、USオープンにつなげて欲しいものだ。