【Disney+】ミズ・マーベル E4

ニュージャージーを舞台に展開していた「Ms. Marvel」だったが、祖母サナに「カラチに来て」と呼ばれたことで一気に流れが変わる。パキスタンの文化が全開になり、中華街のように広がるエスニックな通りの雰囲気がストーリーを覆いはじめ、ついにはパキスタン名物のデコトラまで登場した。行ったことはないし、そもそも現地の情報もほとんど得ていない国なのだが、このエピソードを見ると一気に親しみが湧いて、興味を持てるようになった。ただ、言ってみたいかと言われれば、そこは即答できないのだが…

シーズン序盤から何度も語られる「分離独立」というフレーズが、今回もまた登場する。英国が旧英領インドの支配を手放した際に、インドと東西パキスタンを分割して独立させたことだが、カマラの一族はインドにルーツを持つパキスタン人という設定。宗教というラインで国境を定めたことが、いろいろな歪みを生んでしまったということをが、この作品の根底に流れる通奏低音になっているようだ。英国の外交術は、フセイン・マクマホン協定とバルフォア宣言という二枚舌で、イスラエルの建国にも大いにかかわっている。そんな大国の都合が安易に発動されると、庶民がどのように運命を変えられてしまうか。そんな視点が残り2話で示されるのではないだろうか。

もともと、どのような作品なのかわからずに見始めたところがあるが、中国やラテンアメリカなどを取り上げてダイバーシティの流れに乗っているくらいに見ていたのだが、実はマーベルにしては骨太な、硬派な作品なのかもしれないと思い始めている。