【ドラマ】マダム・セクレタリー S5 E1

FOXチャンネルで放送が始まった「マダム・セクレタリー」のシーズン5は2018年の作品だが、狙ったのではないかと思うくらいタイムリーな内容だった。対立するインドとパキスタンの首脳が非核化協定に署名する場をホワイトハウスに設定しながら、爆破事件が起きる。スタッフを失い、インターンの娘スティーヴィーも負傷する中でのエリザベス・マッコード長官のスピーチで「民族主義との決別」を訴えるが、それはまさにロシアがウクライナに振興している大義名分とも重なる。

攻撃されている同胞を守るためなら、自身は攻撃されていなくても仕返ししてよいのか。これは例えばサッカーでは、より重い罰を受ける対象となる「報復行為」となる。また、本当に攻撃されているのかどうかを確かめることも容易ではない状況だ。世界がそんな混乱に陥っているタイミングで聞くこのスピーチは、現実のどんな政治家の言葉よりも重く、そして美しく僕の耳に届いた。

そして、そのスピーチを考案する上でアドバイスを求めたという設定なのが、ヒラリー・クリントンコリン・パウエル、そしてマデリン・オルブライトという3人の国務長官経験者。この3人がカメオ出演しているのも。贅沢なキャスティングと言ってよいだろう。このタイミングでこの展開は、少なくとも僕にとってはウクライナ問題を見る視点をブラッシュアップさせてもらえた。