【Billie Eilish】When We All Fall Asleep, Where Do We Go?

以前から興味のあったビリー・アイリッシュだが、どこから聴くべきか迷ってなかなかダウンロードできなかった。試しにechoでアレクサにリクエストしてみると、"bury a friend"がよかったので、思い切ってアルバムをダウンロードした。ビリーの楽曲の素晴らしさは、短いリフを活かしたキャッチーなメロディとレゲエやジャズなどの要素を織り込んだ多彩なアレンジだ。その意味では、ビリー個人の音楽性のみならず、兄のフィニアスを含めて周囲のスタッフの総合力と言ってもよさそうだ。

もうひとつ、彼女の楽曲を印象的にしているのは、その歌唱法。声を張らずにナチュラルな発声で、同じ節回しでは二度と歌えないような微妙なニュアンスを醸し出している。そして、ボーカルトラックのレコーディングも、そんなビリーの感性を漏らさず掬い上げるようにライブ感を残している。これがあってこその彼女の世界観であり、レコーディングのようなテクニカルな面まで含めての完成度ということなのだろう。

先日のグラミー賞授賞式では、ボーカルの音圧の低さが気になっていたが、アルバムを聴いてその音楽の神髄が理解できた。そう考えると、彼女はライブ向きのアーティストではなく、スタジオ盤が合っているのかもしれない。ライブの場合は、アンプラグトにしてアコースティックな環境なら楽しめそうだ。