Lady GaGaの新譜「JOANNE」は、期待値との相関で評価が決まる。ポップアルバムだと思って聴くと3曲目で失望するし、新たな境地のボーカルアルバムだと思えば満足できる。アレンジというかオーケストレーションもトラックのバランスも完全にボーカルをフィーチャーしていて、シンプルでわかりやすい。
「私は何でもできるから、面白い仕事をちょうだい」という彼女のメッセージを感じるアルバムだった。「Perfect Illusion」あたりにはこれまでのポップ路線も残しているが、結果的にガガもテイラー・スウィフトも、ひとつのジャンルに評価を固定されたくないのだろう。
ただ気になるのは、このアルバムの楽曲がライブ映えしないように思うことだ。しっとりじっくり聴かせるコットンクラブやビルボードのようなハコなら楽しめるだろうが、ガガが来日公演を行ったさいたまスーパーアリーナのようなサイズにはなじまない。今後、ガガはどのようなライブを見せてくれるつもりなのだろうか。