【ジャズ】ビル・チャーラップ&ウィントン・マルサリス

ニューヨークのジャズクラブ「Village Vanguardヴィレッジ・ヴァンガード)」で週末の無観客ライブをアーカイブ配信してくれるサービスで、今回はビル・チャーラップのピアノとウィントン・マルサリスのトランペットのデュオを堪能した。ウィントン・マルサリスのトランペットは繊細ながらとてもクリア。僕も弟の楽器を借りて練習したことがあるが、トランペットをピアニッシモで奏でるのは至難の業。これを自由自在に操り、音にしっかりとニュアンスを持たせるところが、彼の演奏の妙味だと言える。

そして、ビル・チャーラップだ。彼のリズミカルでスキルフルな演奏は、ウィントンのメロディを際立たせ、そして熟練のインプロビゼーションで掛け合いを聴かせてくれる。MCも担当していたが、エンターテイメント要素をたっぷりを含んだ語りも、無観客ライブに花を添えていた。

ただ、ベースやドラムスが入っていないので、どうしても曲調が似た構成になってしまい、終盤はやや飽きてきてしまった。僕はリズムやベースのリフ、対位法によるメロディを聴いてしまう方なので、それがないのはちょっと物足りない。これにベースが入ってトリオでの演奏だったら、また厚みも深みも違っていたのだろうと思いながら、休日の夜を過ごしていた。